2007年11月04日

高秋 天高く俺肥ゆる 山形をゆく ~風雲篇~

里芋で、はち切れそうになった腹を揺すりながら訪れたのは、たしか天童
だったような気がする。稲刈り後の、うらさびしい水田風景。月山を借景に、
ただ天だけが高い出羽の秋。


芋煮をくったあとは、菊摘みである。菊を食うという風習は、東海から西には
ほとんどないはずだ。上方では、ある種の驚きをもってみられる食風でもあ
る。刺身のツマ菊さえ見かけないような気がする。もっとも、関東でさえ刺身
のツマ菊は飾りの要素が強くて、口にする人はそう多くない。


ましてや、花のみを食う大輪種は、ほとんど山形のみでの栽培と食風で、こ
れに新潟県の下越・中越が加わるのみである。関東には、その山形県人と
の食風の余波が及んでいるという感じで、季節になれば菊を食わせる和食
屋があったりするが、郷土料理または珍味といった域を出ないような気はす
る。なぜ、山形で菊が盛大に食われてきたのかは詳しくは知らない。が、そ
の殺菌作用と、悪玉といわれるLDLコレステロールのみを抜群に抑制する、
動脈硬化防止効果には要注目。特にボクのような高脂血症オトコには♪



黄色い花の「寿」、薄紫色の「もってのほか」を摘む。
菊積みのあとは、栽培農家から菊料理をごちそうになる。定番のおひたしの
ほか、牛乳寒天や、ずんだ豆のムースに菊花を混ぜたデザートなどアイデア
料理も。山形といえば玉こんにゃくも名物だ。これはゼロキロカロリー。辛子
を塗りたくって遠慮なく胃にブチ込む。




さて。超低カロリー食品で胃を満たした後は、蔵王のふもとの宿泊地で。晩
飯は山形牛ですき焼き三昧かな~と期待していたが、そうそう甘くなくスキー
ロッジでのバイキング。ビールは自販機で自分で買う。また、芋煮だよ(笑)
うまいからいいけど。


後日譚である。摘み取った菊を家にもちかえる。「いいか。沸かしたお湯に
酢をほんの少し垂らしてだな・・・」と、菊のゆがき方を教えてやろうとすると、
「いいよ。実家では毎年食ってたから知ってるって」だって。


なるほど。豆アジは下ごしらえもせず、そのまま唐揚げにするモノ知らずだ
が、中越の山猿だけあって菊の食い方には精通しているようだ。単なるお
ひたしだが、しゃっきりとした歯応えにほのかな香りと甘み。そしてわずかな
苦みがあってこれはうまいかった。いつもの豚骨汁の毒消しになりますよう。
タグ :山形食用菊

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