2010年07月11日

三四郎 [錦糸町]

 佇まいに惹かれる店というのがあって、ここもそのひとつ。
 錦糸町の中でも、わりと猥雑な一角にある老舗居酒屋だが、外観以上に中がいい。コンクリ打ちっ放しの三和土にあるカウンターは、古い居酒屋によくあるコの字型ではなく、その変型版の舟の字型とでもいうべきもの。


 よく使い込まれた白木のカウンターがまたいい。よく磨き上げられ、手ざわりがいいのだ。
 「ビール大瓶」650円と「ポテトサラダ」330円を手始めに。
 ポテサラは、生野菜と合わせたおひとり様サイズで余計な味つけがないごく薄味。ビールにアテながら、途中から思わずソースをかけ回してしまったが、実は何気に上品な味つけ。


 ビールの値付けからも分かるとおり、弩のつく大衆酒場にしては、そんなに安価な店ではない。ポテサラや冷トマト、漬け物、やっこ豆腐なんて軽いものは300円台だが、その他はおおむね500円前後、鮮魚の刺し・焼きなどは600~800円見当になる。

 もっとも、モノはいい。どの品も半製品や冷凍物といった業務スーパー由来ではなく、板前の技になる割烹の雰囲気。
 「アジ刺身」680円も、新鮮で身のつきがいい品が姿造りになっており、ネタの質を含めてこの価格なら高いわけではない。


 2杯目は、この店の名物らしい「焼酎ハイボール」420円を。
 黄色味がかったフレーバーが、ちょっとナゾめいた味わいで、若干酸味があり甘さ控えめな、ほかではお目にかかれない味。

 外観も白木のカウンターもいいが、この店のよさは女将の立ち振る舞いでもある。
 そこそこ老齢かと思われるが、物腰柔らかでキビキビした動きで、カウンターに群がる酔客への気づかい気配りも細かい。割烹着がことのほかお似合いで、ちょっと藤村志保似といえばホメすぎかも知れなが、そう遠くはないと思う。


 焼酎ハイボールにアテるため、「レバフライ」420円をオーダー。
 小口切りにした豚レバが4~5切れ串に刺してあり、形もきれいで食べやすい。また、衣の付き方もよく、揚げ上がりもサックリと柔らかな歯応えで香ばしく、これも実にいい仕事である。

 軽く飲み食いして、〆には「どじょう汁」420円を。
 小ぶりの椀には、お約束の笹がきごぼうと、どじょうは10匹以上は入っていると思われるお値打ち品。味つけの味噌は、甘口でこちらもあっさりと上品な味つけ。カルシウムはもとより、ビタミンDに亜鉛と、夏の滋養としては申し分なしのどじょうを心ゆくまで堪能。

 その他、鍋物までメニュウはふんだんにあるが、そもそもはもつ焼きの店もあるここ。
 れば・しろ・なんこつ・かしら・たん・はつなんてところが1本150円で、鰻のくりから焼きも1本300円から楽しめるようだが、そこまでは手が回らなかったこの日。

 これは、また再訪必至であると思い定めて、店を後にするのであったよ。

[三四郎]
住所/墨田区江東橋3-5-4
営業時間/17:00~22:00(土曜12:30~18:00)
定休日/日・祝


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